兵士らが店舗を荒らしている間、プラッツさんはまだ生きていた。映像には足を引きずりながら警備所に戻ってくるプラッツさんが映っている。太ももには止血帯らしきものが巻かれている。
その場でプラッツさんは電話をかけ、助けを求めた。相手は近所に残って町の防衛を志願した同胞のウクライナ市民だ。映像には、彼らがプラッツさんを警備所から運び出す際、床に流れた血の痕が映っている。プラッツさんは警備所の外で息を引き取った。
ロシア軍と交戦しながらプラッツさんの下にたどり着いた民間防衛隊の司令官は、プラッツさんと自動車販売店のオーナーについて、ロシア軍が近づいていると警告を受けていたもののとどまることを選択したと説明した。2人とも、ロシア兵に近づくと何をされるかについては全く理解していないようだった。
プラッツさんの娘のユリアさんは、まだ父親が亡くなる映像を視聴できる状態にないと明かす。しかし映像そのものは保存し、いつか子どもたちに見せるつもりだ。侵略者がどれほど残酷だったかを忘れないようにするためだという。
父親を殺害した者たちは「裁かれなくてはならない」とユリアさん。「国際裁判所に期待する。ウクライナだけでなく全世界が、彼らの犯罪について知ることになるのを望む」と語った。