市民巻き込むギャング団の凶悪犯罪激化、1カ月で約200人死亡 ハイチ
国連のミシェル・バチェレ人権高等弁務官は今月に入り、法の秩序を取り戻すようハイチ政府に促し、国際社会に対しては制御不能な状況に陥ることを防ぐため、取り組みを強める必要があると訴えた。
ギャング団の暴力は前例のないレベルに達している。バチェレ氏のもとには、首をはねられたり、遺体がバラバラにされたり焼かれたり、対立するギャング団の密告者とされた未成年が殺害されたりしたといった証言が寄せられている。
対立する集団の支配地域に住む住民への見せしめとして、子どもに対する集団レイプも横行している。最年少の被害者は10歳だった。
この抗争の影響で11の医療機関と学校少なくとも442校が閉鎖を強いられ、一部は放火や略奪の被害に遭った。首都と地方を結ぶ国道も封鎖され、人や物資の輸送が滞っている。
OCHAによれば、ここ数日は暴力は収まっている様子だが、極めて不穏な状況にあることに変わりはない。
ハイチでは長年にわたって混乱が続いているが、昨年7月のモイーズ大統領暗殺以来、暴力が劇的にエスカレートした。
治安の悪化や政治的危機に加えて、ハイチは高いインフレ率や食糧不安にも苦しみ、国連によると首都近郊のシテ・ソレイユ市では5歳未満の子どもの5人に1人が急性栄養不良に陥っている。