アジアで押収の覚醒剤、昨年は10億錠 国連が報告
(CNN) 国連薬物犯罪事務所(UNODC)は30日、東アジアと東南アジアで昨年1年間に計10億錠以上の覚醒剤が押収されたとする報告書を発表した。
特にメコン川下流地域のカンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマーで、覚醒剤の製造や密売が急激に拡大しているという。
UNODCのダグラス東南アジア事務所代表は、東アジアと東南アジアでの覚醒剤と合成麻薬の取引について、「驚異的な」規模と範囲に及んでいると指摘。地域が根本原因への対策を講じなければ、さらに拡大し続けるとの見方を示した。
この地域ではミャンマーのクーデターなど、最近の政情不安で一部の国境地帯がほぼ無法状態となり、犯罪組織がそれに乗じて利益を得ている。末端価格の値下がり傾向が続いていることも、流通を促す要因になっているようだ。
シンガポールやインドネシア、ベトナムは違法薬物の取り締まりが世界でも厳しいことで知られるが、覚醒剤は近年、アヘンに代わる主要な薬物として盛んに使われ、取引されている。