マリウポリ市の水不足、「危機的水準」に
(CNN) ウクライナ東部ドネツク州マリウポリのアンドリュシチェンコ市長顧問は、同市の飲料水不足が危機的水準にあると明らかにした。アンドリュシチェンコ氏は現在は同市にいない。
アンドリュシチェンコ氏によれば、人々は飲料水を受け取るために登録をしなければならず、水を受け取れるのは2日に1回だけだという。
マリウポリは2カ月以上に及ぶロシア軍からの攻撃によって激しい被害を受けたため、電気やガス、水道といった基本的なサービスが依然として復旧していない。
アンドリュシチェンコ氏は「水の量は以前は少なかったが、今は、完全になくなった」と述べた。今後は気温が上がり、水位が下がり、水はさらに少なくなるという。
アンドリュシチェンコ氏によれば、ロシアが支援する地元当局が配給するのは、飲料水として使うには極めて制約の多い水で、煮沸しなければ日常生活には使えない。水を煮沸する場所もなく、煮沸するには屋外で火を使うしかないという。アンドリュシチェンコ氏は、人々は水をそのまま使用しており、危険が倍増すると指摘した。
アンドリュシチェンコ氏は、ごみが大量にたまり、市中のいたるところで浅い墓穴に遺体が埋められていることから、伝染病の発生を警告した。
アンドリュシチェンコ氏は発生する伝染病の種類の予測は困難としつつも、コレラや赤痢など消化器系の伝染病が発生する可能性があるとの見方を示した。医療制度が機能せず、医薬品や研究所など通常利用できるものがない状況では、こうした伝染病で数万人の死者が発生しうるという。
これまでのところ、マリウポリで赤痢などの流行性疾患の報告は確認されていない。