ジュリアン・アサンジ被告の米国引き渡し、英政府が承認
(CNN) 英国のパテル内相は17日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ被告の米国への身柄引き渡しを命じる文書に署名した。ウィキリークス側は「報道の自由にとって暗黒の日」になったと反発している。
ロンドンの裁判所は4月に正式な身柄引き渡しの命令を出しており、あとはパテル氏が承認するだけになっていた。
今回の決定を巡っては、今後数カ月にわたり法的な争いが続く可能性が高い。アサンジ被告の弁護士は17日、不服を申し立てる考えを表明。最終的に欧州人権裁判所に持ち込まれる可能性もある。
弁護士は記者会見で「これで終わりではない。利用可能なあらゆる不服申し立ての仕組みを使ってこの引き渡しを阻止する」と述べた。
ウィキリークスは17日の声明で、アサンジ被告は「何の罪も犯しておらず、犯罪者でもない」と主張。ジャーナリストなどとしての仕事を果たしたことで罰せられていると述べた。
そのうえで「今日は報道の自由と英国の民主主義にとって暗黒の日になった。表現の自由を重視する全ての人は深く恥じ入るべきだ」とした。
アサンジ被告は3年前、在英エクアドル大使館に籠城(ろうじょう)していたところを拘束され、現在はロンドンにある厳重警備の刑務所で勾留されている。
アサンジ被告はウィキリークスが機密文書や外交公電を大量公開した件をめぐり、米国で18件の容疑で指名手配されており、有罪になれば最大で禁錮175年を言い渡される可能性がある。