ANALYSIS

2カ月過ぎても制圧されないウクライナの小都市、ロシア軍が手こずる現状を分析

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南部の都市近郊にある塹壕を歩くウクライナ軍の兵士/Genya Savilov/AFP/Getty Images

南部の都市近郊にある塹壕を歩くウクライナ軍の兵士/Genya Savilov/AFP/Getty Images

ウクライナ南部ではまた様相が異なっている。ロシアは沿岸部の防衛を徹底するために、戦争初期で獲得した占領地を強化しているとみられる。ウクライナはヘルソンの街に反撃を仕掛けるも、ここまでの進展はごくわずかだ。一方でロシア軍はこの地に踏みとどまり、これ以上の領地獲得にはさほど興味を示していない。

19日、英国のジョンソン首相は2度目の首都キーウ(キエフ)訪問でこう述べた。「時間が重要なカギだ。ロシア軍が攻撃能力を回復する前に、ウクライナの自衛能力を強化できるかにすべてがかかっている」

士気の低下

ウクライナの精鋭部隊の一部はドンバス地方の防衛戦で痛手を負っている。先週ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は、2月24日にロシアの侵攻が始まって以来ウクライナの死者は数万人にのぼるとCNNに語った。その大半はおそらく兵士だ。

英国防省は先ごろ、ウクライナ軍ではこの数週間で兵士の脱走が起きているらしいと分析した――もっとも、ロシアの士気のほうがはるかに低下していると思われる。

したがって、正確な長距離兵器をウクライナ軍に投入するだけではなく、訓練を強化することもポイントになる。ジョンソン首相は、同盟国が120日サイクルで最大1万人の兵士を訓練できるよう整備する計画を推し進めている。

ロシア軍は損失を負っているにもかかわらず、いくつかの場所で旧式のT62戦車を配備し、兵器や戦闘機では依然として大きく優位性を保っている。足取りの鈍いわかり切った戦術にもかかわらず、ウクライナの防衛を退け続けている。週末に出回った動画には、4月に攻撃を受けたポパスナやルビージュネと同じように、スロビャンスク近郊のリマンが壊滅した様子が映っていた。

だが、砲撃とミサイルで重装備したロシア軍の進軍に打撃を与えられる兵器が次々と投入される中、さらに西の地域で町や都市が壊滅するのをウクライナ軍が阻止する可能性はまだ残っている。

本稿はCNNのティム・リスター記者の分析記事です。

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