ANALYSIS

ルハンスク州最後の拠点に迫るロシア軍、マリウポリ陥落後最も厳しいウクライナの1週間

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激しい戦闘が繰り広げられているセベロドネツクの前線に配備されたウクライナ軍の戦車/Oleksandr Ratushniak/AP/File

激しい戦闘が繰り広げられているセベロドネツクの前線に配備されたウクライナ軍の戦車/Oleksandr Ratushniak/AP/File

ロシア軍は作戦中一貫して、領土を奪う前に集中的な爆撃を行う戦術をとっている。ハイダイ氏の発言から見えるのは、リシチャンスク周辺の防衛隊が数週間にわたる爆撃を受けた後、ロシア軍の圧倒的な火力の前に屈し始めている状況だ。

ウクライナ軍は今でも、リシチャンスク郊外や周辺の村で戦いを続け、高台にある地の利を生かしている。

それでも、既に悪化している供給線はさらに脆弱(ぜいじゃく)になりつつあり、ロシア軍のばく大な火力に防衛陣地は苦しんでいる。

数週間にわたる決然とした抵抗の後、この数日で起きているこうした流れの逆転は、今がウクライナ軍にとって南部マリウポリの兵士投降後最も厳しい1週間になっていることを示している。

ロシア軍はリシチャンスク近郊での攻撃に加え、同市から西方のバフムートへと伸びる高速道路を寸断しようとしている。この道路はウクライナ軍にとって決定的に重要な連絡線だが、一部地域では道路から数キロ以内にまでロシア軍が近づいている。

リシチャンスクと隣のセベロドネツクを守るウクライナ軍が大量のロシア軍部隊の火力を引きつけていることで、隣接するドネツク州でのロシア軍の進撃姿勢は停滞している。それでも、ロシアはここから近いロシア南西部の予備役召集の手を打つことも可能だ。一方、ウクライナ軍の最良の部隊の一部は、数カ月に及ぶミサイルやロケット、砲撃、空爆を受けて戦力を大きく消耗している状況にある。

ウクライナ側がリシチャンスク周辺に塹壕(ざんごう)を掘って守ると決意すれば、ロシア軍がそこを奪うには相当な取り組みが必要となる。数週間に及ぶ可能性もあるだろう。ただ、その頃には、リシチャンスクはセベロドネツクやポパスナ、マリウポリと同じように、一部地域が灰じんに帰している可能性がある。

本稿はCNNのティム・リスター記者の分析記事です。

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