WHO、サル痘は「緊急事態に該当せず」 引き続き監視へ
(CNN) 欧米などで感染が広がっているウイルス性疾患「サル痘」について、世界保健機関(WHO)が緊急会合を開き、公衆性衛生上の緊急事態には当たらないと結論付けた。
23日に開催された会合の結果が25日に発表された。
WHOのテドロス事務局長が声明で報告したところによると、専門家らの委員会は、サル痘が現時点で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当しないと判断。一方で会合が開かれたこと自体、国際的な感染拡大への懸念が強まっていることを反映しているとの認識を示した。
テドロス氏は声明で、サル痘を進行中の脅威と呼び、WHOは今後も極めて注意深く監視を続けると強調した。
テドロス氏は23日の会合で、年初からこれまでに48カ国で計3200人あまりの感染が報告されたと述べて、監視強化を呼び掛けた。今回の流行は同性との性交渉がある男性への影響が最も大きいとしたうえで、免疫不全患者や妊婦、子どもが感染した場合も重症化のリスクがあると指摘。医療従事者が個人防護具(PPE)を適正に着用していないと感染の恐れがあるとも警告した。
ほかの感染症では、一部の国が透明性に欠けたり、情報を共有しなかったりしたこともあると述べ、各国にWHOへの報告を呼び掛けた。
WHOが現在PHEICの対象としているのは、2014年からのポリオと20年からの新型コロナウイルス。過去には新型インフルエンザ(09~10年)、エボラ出血熱(14~16年)、ジカ熱(16年)でも宣言が出た。