ジョンソン英首相が辞意表明
(CNN) ジョンソン英首相が7日、保守党党首を辞任すると表明した。政権内部ではこの数日間で幹部の辞任が相次いでいた。
ジョンソン氏は「新たな党のリーダー、従って新たな首相が必要だという議会保守党の意思が今、明確となった」と述べた。新党首を選ぶプロセスが始まることに同意し、今後のスケジュールは来週発表されるとも語った。
「2019年に我々に投票してくれた数百万人の人々に伝えたい。その多くは保守党に初めて投票してくれた人々だった。その素晴らしい負託に感謝している。保守党として1987年以来最大の多数党になった」(ジョンソン氏)
ジョンソン氏は6日夜の時点では現職にとどまって闘う姿勢をみせていた。だが、雪崩のような政権幹部の辞任が7日まで続き、スキャンダルにまみれたリーダーを批判し辞任を求める書簡が相次いだ。
絶大な政治権力を握り、伝統的な党路線を超える魅力を持つ人物と目されていたジョンソン氏だったが、その辞任は驚くべき失脚を記すものとなった。19年12月の総選挙では欧州連合(EU)離脱の実現とEU離脱後の明るい未来を約束して地滑り的勝利を収めた。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後には徐々にその首相職に問題がつきまとうようになった。
失脚の最も直接的な要因は、保守党のピンチャー副幹事長が先週の夕食会で2人の人物に痴漢行為をした疑惑で辞任したスキャンダルで、ジョンソン氏がまずい対応をしたことだった。
ただ、それ以外にも数多くのスキャンダルに直面し、世論調査で支持を失っていった。首相官邸の修繕に寄付金を不適切に利用したとの批判や、ロビー活動の規則違反をした同僚を守るように議員らに投票を命じたとの批判などにさらされていた。