スリランカ前大統領、来週にも帰国か
スリランカ・コロンボ(CNN) スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ前大統領は先月、大規模な抗議デモが展開される中、危機的状況に陥っている同国を脱出したが、サブリ外相によると来週にも帰国する見通しという。
サブリ氏はCNNに、スリランカ政府は「外交ルートを通じて」ラジャパクサ氏の帰国を知らされていると語った。
「公式には我々はラジャパクサ氏の帰国に関与していない。同氏はスリランカ国民であり、好きなように旅行することができる」とサブリ氏は語った。
ラジャパクサ氏とは疎遠になっている同氏のいとこで元駐ロシア大使のウダヤンガ・ウィーラトゥンガ氏は17日、ラジャパクサ氏が24日に帰国すると記者団に語った。
ラジャパクサ氏は先月、スリランカから軍用機でモルディブに脱出し、その後シンガポールへ移動したが、怒った抗議者が公邸と事務所を襲撃した数日後にタイに移動した。
同氏はシンガポールから大統領職の辞表を提出したが、その一方で同氏に対しては経済政策で失敗したとして国民の怒りが高まっていた。
ラジャパクサ氏の一族が過去20年の大半を厳しく統治した人口2200万人の同国にとって、前大統領の慌ただしい退陣は歴史的瞬間だった。
スリランカでは外貨準備高が記録的な低水準に落ち込み、食料、医薬品、燃料など必要不可欠な輸入品の支払いにドルが不足し、数カ月前から国民の間で不満が高まっていた。
ラジャパクサ氏の兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏は、危機に対する国民の怒りが高まる中、5月に首相辞任に追い込まれた。
新大統領に選出されたウィクラマシンハ氏は先月下旬、ゴタバヤ・ラジャパクサ氏の帰国は政治的緊張を高める恐れがあり「適切な時期ではない」と述べたという。