北朝鮮、韓国の経済支援申し出を拒絶 尹大統領を「非常に単純」と酷評
韓国・ソウル(CNN) 北朝鮮が、非核化と引き換えに経済支援を行うとする韓国からの申し出を拒絶した。このような申し出は、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常に単純」な人物であることをうかがわせるとも述べている。 国営朝鮮中央通信(KCNA)が19日に報じた。
北朝鮮でトップクラスの高官である金正恩(キムジョンウン)総書記の妹、金与正(キムヨジョン)氏は尹氏の申し出を批判。北朝鮮の経済と人々の生活の改善を意図した提案について「夢物語のような意見」との認識を示した。
尹氏が自ら「大胆な計画」と呼ぶ提案を初めて行ったのは今年5月。経済協力と引き換えに北朝鮮の核開発プログラムを終わらせるというのがその内容で、以降この構想を取り上げ続けている。
今月15日の演説では、韓国政府が大規模な食糧プログラムを実施する考えを表明。発電事業の支援と農業の促進に乗り出すほか、複数の措置を講じて北朝鮮の港湾や貿易ルート、病院などを近代化すると述べた。
しかしKCNAの報道によると、金氏は提案を拒絶し、尹氏への個人攻撃を展開。「『経済協力』と我々の誇りである核とを交換する計画が尹氏にとっての大きな夢であり希望、構想なのかと思うと、非常に単純な人物だと実感させられる。子どもっぽさが抜け切れていない」「はっきりさせておくが、我々は彼を相手にするつもりはない」と断言した。
韓国統一省はこれを受け、金氏の「敬意を欠いたコメント」に対する「強い遺憾の意」を表明した。その上で、こうした態度は朝鮮半島の平和を脅かすだけでなく、北朝鮮の経済状況も悪化させると付け加えた。
KCNAの報道によれば金氏はこのほか、17日に発射した巡航ミサイル2発について、韓国側が発射地点を誤って割り出しているとも指摘したという。