ウクライナ、ローマ教皇発言に反発 ロシア思想家の娘爆殺で
(CNN) ウクライナ外務省は27日までに、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇がロシアの右派思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘が車の爆発で死亡した事件に触れ、「戦争の犠牲となった罪のない人」と評した発言に失望を表明した。
教皇の言葉は、加害者と被害者を不公平にも同等に扱っていると指摘。ロシア領内で起きたロシア人の死亡をウクライナでの軍事衝突に絡めて言及することは混乱を生じさせるとし、ウクライナはこの死亡に関与していないことを主張しているともした。
ウクライナ政府は同国に駐在するバチカン大使を呼び、教皇の言動についての見解を説明したという。
フランシスコ教皇は今月24日、モスクワ市内で20日に起きた車爆発事件で殺害されたドゥーギン氏の娘のダリヤ氏は戦争で殺された「罪のない人間」の一人と形容。「車の座席の下の爆弾で宙に吹き飛ばされたこの可哀想な少女のことを考えている」とし、「罪のない人間が戦争の代価を支払った」とも続けていた。
ロシア側は事件はウクライナの治安機関の仕業と主張しているが、ウクライナは一切の関与を否定している。