戦争犯罪あったと考える「合理的根拠ある」 ICC検察官が安保理で報告
(CNN) 国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は22日、調査のためにウクライナを3回訪問した結果、疑われている戦争犯罪が行われたと考えていると国連安保理の会合で述べた。
「ある訪問では様々な破壊、受難を目の当たりにし、それが私の判断を強固なものにしている。そして、私のこれまでの所見は裁判所の管轄内で犯罪が行われたと信じるに足る合理的な根拠があるというものだ」とカーン氏は説明した。
カーン氏はまた、ウクライナで目にした恐ろしい惨状についても率直に語った。
「ブチャにある聖アンドリュー教会の裏に行ったとき、私が見た複数の死体は偽物ではなかった。ボロディアンカの通りを歩いたとき、私が見た建物や学校の破壊はあまりに現実のものだった」とカーン氏は語った。「ハルキウを去るとき、爆撃の音を聞いて悲しい洞察を得た。戦場にいる多くの人々、子どもたちが直面している恐ろしい現実をわずかながらでも知ることができた」と続けた。
第2次世界大戦後、敗戦したナチスを裁いたニュルンベルク裁判に言及したカーン氏は「ニュルンベルクのこだまは今日も聞こえるはずだ」と訴えた。
「ニュルンベルクの約束を守れないことは、過去何十年にもわたり指導者としての私たち全員に対する非難として作用してきたが、絶望したり落ち込んだりするのではなく、むしろそれは理事会、国際機関、そして人間として、我々を奮い立たせさらなる行動を促す触媒として作用する」と述べた。