ロシアの「部分的動員」始まる SNSに涙の別れの動画
(CNN) ロシアの一部の地域、特にカフカスと極東地域で「部分的動員」の第一段階が進行している様子をとらえた動画が、ソーシャルメディアに投稿されている。
SNS「テレグラム」に投稿された複数の動画には、ロシア連邦構成国の一つ、シベリアのサハ共和国のアムギンスキーウルスとされる場所で新たに動員された一団が輸送を待つ様子が映っている。ある動画の説明には「動員された50人が特別作戦区域に行く」とある。
また、別の動画には極東のマガダン空港で新たに動員された約100人が輸送機の横で待機している様子が映っている。一行は「機内禁煙」「機内は寒い」「トイレはない」などの注意を受けている。
極東のネリュングリ市でバスに乗り込む大勢の男性に別れを告げる家族の映像も投稿されている。女性が泣きながら夫を抱きしめて送り出し、夫がバスの窓から娘に手を伸ばす姿が映っている。
集合場所で動員された男性と家族が抱き合う様子の映像がSNSに投稿された/Telegram
CNNはすべての動画の撮影場所や日付を独自に特定しているわけではない。
ブリヤート共和国は、ウクライナでの紛争にすでに数百人のボランティアを送っている。地元のテレグラムチャンネルによると、「ブリヤートでは最大6000〜7000人を動員するかもしれない」という。当局は正確な数を示していない。
「動員された人々を乗せたバスが午前中にウランウデ(ブリヤートの首都)に到着する。彼らは軍事兵たん部の集合場所に連れて行かれる」とチャンネルには書かれている。
カフカス地方のダゲスタン共和国では、入隊事務所で口論になっている様子が映像に捉えられた。2月から息子が戦っていると語る女性にある男性が息子を送り込むべきではなかったと言うと、女性は「あなたの祖父はあなたが生きられるように戦った」と反論。これに男性は「あのときは戦争だった。今は政治だ」と返した。
ウクライナに近いベルゴロド市の近くでは、新たに動員された男性の集団を見送る群衆がいた。男性らがバスに乗る際に、一人の少年が「またね、お父さん!」と叫んだ後泣き出す様子があった。
このほかにも兵力増強の動きがある。ロシア国営タス通信によると、ロシアの人権理事会は、ロシア国籍を取得して10年未満の中央アジア諸国からの移民に1年間の兵役義務を課すことを提案した。