ロシアからドイツへの海底ガスパイプラインに「前例ない」損傷 運営会社
(CNN) ロシアからドイツにのびる天然ガス供給パイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社は、バルト海の海底パイプラインシステムに「前例のない」損傷が生じたと明らかにした。ロイター通信が伝えた。
スウェーデン海事局はCNNに、デンマークのボーンホルム島付近でノルドストリーム1と2のパイプラインからのガス漏れが3件確認されたと語った。
当局は船舶に対し、漏えい箇所から約8キロ離れるよう警告し、航空機に対しては1000メートルの高度を保つよう警告を出した。広報担当者によると、最初のガス漏れの報告は26日午後で、同日夜にもう2つの漏れが確認された。
デンマーク軍が公開したノルドストリームからのガス漏れとする映像には、気泡と荒れた海面が映っている。デンマーク当局はボーンホルム島周辺に航行禁止区域を設定したと発表した。
ノルドストリーム2に使われる大きなパイプ=2018年6月5日、ドイツ・ザスニッツ港/Ulrich Baumgarten/Getty Images
パイプライン運営会社のノルドストリームAGは「ノルドストリームシステムの天然ガスパイプライン3本で同じ日に発生した損傷は前例のないものだ。復旧時期はまだ見通せない」と述べたとロイターは報じた。
ノルドストリームAGは26日、パイプラインの圧力低下の原因を調査していると発表。ドイツ当局も、ロシアのウクライナ侵攻を受けてドイツ政府が停止し休眠状態になっているノルドストリーム2の圧力低下を報告していた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、パイプライン損傷のニュースについて「非常に懸念している」と述べた。破壊行為の可能性はあるかと問われ、ペスコフ氏は「現時点ではどんな可能性を否定できない。パイプに何らかの破損があり、何が原因なのか調査結果が出るまでは、いかなる可能性も排除できない」と述べた。