ガス漏れ地点付近にロシア海軍船がいた、欧州の安全保障当局者が確認 情報筋
(CNN) 欧州の安全保障当局者が26、27両日に、ロシアから欧州に天然ガスを輸送するパイプライン「ノルドストリーム」のガス漏れが発生した地点の近くで、ロシア海軍の補助艦を確認していたことがわかった。西側の情報機関の当局者2人と別の情報筋1人が明らかにした。ガス漏れは26日に発生し、水中での爆発が原因だった可能性が高い。
これらの情報筋によると、ロシア艦船が爆発と関係しているかはわからないが、今後の調査対象の一つになる。
情報機関当局者の1人は、先週、ガス漏れの地点から遠くない海域で、ロシアの潜水艦が確認されたとも明らかにした。
米当局者によると、米国は今回の事案に関する完全な説明を得られていない。ノルドストリームのパイプラインは26日、爆発とみられる原因により3カ所でガス漏れが起きた。
デンマーク軍の当局者は、ロシアの艦船はこの海域を日頃から航行しており、そうした船が存在してもロシアがパイプラインを損傷させたことを示すとは限らないと語った。
この人物は「近年ロシアはバルト海での活動を活発化させている。彼らは海でも空でも我々が気づいているかを試している」とも述べた。
だが、そうした目撃情報はロシアに対する疑いの目が増す結果となる。欧米の当局者はパイプラインを故意に損傷させる能力と動機を持つ唯一の存在として、ロシアに注意を向けている。
米当局者はロシア軍艦船確認の情報についてコメントを避けた。
デンマークとスウェーデンが事案の調査を進めているが、現場での検査はまだで、爆発の原因についてもはっきりしていない。ある欧州当局者は調査開始まで2週間かかるとの見方を示す一方、別の情報筋は来月2日にも調査が始まるかもしれないと話す。
デンマークとスウェーデンの首相は27日、ガス漏れは事故ではなく、故意の行為によるものである可能性が高いとの認識を示した。
スウェーデンの安全保障当局は28日、「外国勢力が背後にいる」可能性を否定できないとの声明を発表した。米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はガス漏れについて「破壊工作のように見える」とツイートした。
ただ西側の当局者はこれまで、パイプラインの破壊がロシアなど他国の仕業によるものとまでは断言していない。
ロシア大統領府はパイプラインへの破壊行為を否定し、そうした主張は「愚かでばかげている」と一蹴した。
CNNはロシア国防省にロシア軍艦船の存在についてコメントを求めている。