中国、訓練要員として英軍パイロット引き抜き 英国防省が警鐘
(CNN) 英政府は19日までに、英軍の現・元パイロットが多額の報酬を提示され、中国軍に訓練を行う仕事に勧誘されていると明らかにした。国家安全保障上の懸念が生じるなか、英政府はこうした採用策を阻止する対策を講じる方針を示した。
英国防省によると、中国では現在、最大30人の元英軍パイロットが訓練に当たっているとみられる。この他にも、現役の英軍要員を含む多数に声がかけられているという。
国防省によると、中国は第三者を通じ、自国のパイロットに直接訓練を行う欧米のパイロットを探している。国営防衛企業や研究機関の支援に当たる人材も探しているという。
国防省報道官は声明で、「中国で人民解放軍の訓練に当たる英軍の現・元パイロットを引き抜こうとする中国の採用策を阻止するため、われわれは断固とした措置を講じる」と述べた。
さらに「現役や退役した要員は全員、すでに公務秘密法の適用対象になっている。われわれは国防各部門における秘密保持契約や非開示契約の使用を再検討するとともに、新たな国家安全保障法案により、本件を含む現代の安全保障課題に対処する新たな方途を創出する方針だ」としている。
国防省によると、英軍の元パイロットが公務秘密法違反となる情報を渡したことを示唆する証拠はない。
軍や退役軍人を担当する英国のヒーピー閣外相によると、政府は現在、中国軍に専門知識を渡した軍パイロットを処罰するための法改正を検討しているという。