海外に中国の「警察署」、反体制派に圧力と報道 オランダ外務省が調査
(CNN) オランダ外務省は27日、中国がオランダ国内で違法な警察署を開設していると報じられたことを受け、調査に乗り出したことを明らかにした。外交ルートを通じた連絡はなかったとしている。
一方、中国側は、問題とされた施設で警察業務を行っていることを否定した。
オランダの放送局RTLニュースなどは25日、中国がオランダ国内で2018年以来、少なくとも2カ所の警察署を開設したと報じた。
警察署はロッテルダムとアムステルダムにあり、中国人が運転免許証の更新や結婚の届け出などの手続きをできる「海外サービス局」を装っているという。
オランダ政府はそうした施設の存在について知らされていなかった。
そうした施設がオランダ国内にいる中国の反体制派に圧力をかける目的で使われていることを強く示唆する証拠があるとRTLニュースなどは報道。SNSで政権を批判して中国当局に追われているという男性は取材に対し、ロッテルダムにある中国警察署の関係者を名乗る相手から電話があったと証言、「自分の問題を解決するため中国に戻るよう促された。自分の両親のことを考えろと言われた」と話している。
中国外務省の報道官は26日、この報道は事実無根だと強調し、警察署とされる施設は「中国のサービスセンター」だと説明。「サービスセンターの目的は、運転免許証の更新や健康診断受診の場を必要とする海外在留の中国人を支援することにある」とした。
人権団体のセーフガード・ディフェンダーズは9月に発表した報告書で、そうしたサービス施設は複数の国にあると指摘。報告書に添えられた地図では、中国が「サービスセンター」と紹介している海外の警察署が、世界各地に50以上も存在していた。