ロシア軍撤退から2週間、砲撃受けるヘルソンで市民が見せる絶望と反抗心
水道水の供給はロシア軍の攻撃を受けて遮断された。取材班は年配の女性が1人、排水管の下にバケツを置いてポタポタと滴(したた)る水を集めているのを見た。
また、市に面して流れるドニプロ川の水を容器で汲(く)み、高台にある自宅へ持ち帰る女性もいる。この女性は「水なしでは生きられない。だからここへ来る」と語った。
遠くではロシア軍とウクライナ軍が撃ち合う砲撃の轟音(ごうおん)が鳴り響く。うかうかと歩き回っていていい場所ではない。
ほんの2週間前、市中心部の広場は歓喜に沸いていた。ロシア側にとって、同市からの撤退は今回の戦争における最大の敗北の一つだった。
今は地元の行政府が立てた複数のテントが、現地の様々な苦難を象徴する。これらのテントは暖を取るためのものや携帯電話の充電をするためのものなど、目的別に設置されている。