はしかの患者にビタミンA中毒の症状、ケネディ保健福祉省長官が推奨発言
(CNN) はしかが流行している米テキサス州とニューメキシコ州で、入院患者のビタミンA中毒の症例が報告されている。
流行の中心地に近いテキサス州ラボックの小児病院では、複数の患者の検査でビタミンA過剰摂取の兆候とみられる肝機能の異常が見つかった。
ビタミンA中毒の症状がある入院患者の子どもは、全員が予防接種を受けていなかった。
ビタミンAについては、米保健福祉省(HHS)のロバート・F・ケネディ長官が感染対策の中心と位置づけ、FOXニュースのインタビューでは「予防薬として」作用する可能性もあると発言していた。
しかしビタミンAの過剰摂取は深刻な健康被害につながることがある。ビタミンAではしかが予防できることを裏付ける根拠はない。
医師の指示に従って一定量を摂取すれば、ビタミンAははしかの治療に役立つこともある。そうした理由から世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)は、重症例での使用を勧告している。しかし中毒症状が報告された患者は恐らく医師の指導は受けていなかった。
ビタミンAは免疫や視力に重要な役割を果たす。しかし脂肪に溶けやすいことから過剰摂取すると肝臓などの臓器に蓄積されて、皮膚や目の乾燥、目のかすみ、骨粗しょう症、皮膚のかゆみ、肝障害などの深刻な症状を引き起こすことがある。妊婦の場合は先天性障害の原因にもなり得る。
SNSではビタミンAの効能が盛んに伝えられており、治療にあたる医師は、はしかの治療や予防の目的でビタミンAを摂取する人たちを見てきたと話す。
今回の流行によるはしかの感染者はテキサス、ニューメキシコ、オクラホマの3州で少なくとも379人になった。カンザス州では23例が報告されている。