中国の習主席、サウジ訪問へ 両国と米国の関係冷え込む中
(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が8日にサウジアラビアを国賓として訪問することがわかった。アラブの外交関係者など情報筋4人が明らかにした。両国と米国との関係が冷え込む中、2日間の滞在予定が組まれている。
情報筋によると、今回の訪問では中国とアラブ諸国の首脳会議、中国と湾岸協力会議(GCC)との会合が開かれる。
アラブの外交筋は前者の首脳会議について、少なくとも14のアラブ諸国の首脳が出席し、アラブと中国の関係の「節目」になると語った。
情報筋4人はメディアへの公表権限を持たないため、匿名を条件に明らかにした。
習氏が中東最大の米国の同盟国サウジを訪問するといううわさは数カ月前から出回っていた。ただ、サウジ、中国のいずれもこれまで確認していない。
先週、サウジ政府は首脳会議を取材するための記者向けの登録フォームを送付していたが、正確な日程は決まっていなかった。
中国とサウジはこの数年で関係を強化し、米国にとって悩みの種となっている。
米国とサウジは原油生産を巡り非難を交わす状況にある。サウジ主導の石油輸出国機構(OPEC)プラスは10月、価格の「安定化」のため日量200万バレルの減産を決めたが、米国はこれに強く反対していた。
サウジは80年にわたる米国の強力な同盟国だが、最近はイランやイエメン国内のイランの代理勢力からの脅威などを前に、米国の軍事的存在感が減退していると受け止めて米国への態度を硬化させている。
一方、中国は台湾を巡り米国と対立している。バイデン大統領は中国が台湾を攻撃すれば守ると繰り返し表明している。
中国はペルシャ湾の様々な君主国との関係を深めつつ、米国の敵対国であるイランやロシアとも関係を強化している。中国とサウジはウクライナでの戦争に関して西側とは異なる立場をとり、ロシアへの制裁に賛成していない。
サウジはロシアをOPECプラスの決定で相談が必須な重要パートナー国とも位置付けている。米国は原油減産を受け、サウジがロシアに味方しウクライナでの戦争でプーチン大統領を支援していると批判。一方、サウジ当局者は原油の武器化やロシアにくみしているとの批判は当たらないとしている。
バイデン氏はサウジ人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件を巡り、サウジを国際社会の「のけ者」にすると誓い、事実上の統治者であるムハンマド皇太子を非難してきた。だが、世界的な原油不足を受けて今年7月にサウジを訪問し、ムハンマド皇太子とグータッチであいさつを交わす姿まで見せたが、期待していたとみられる関係改善は実現しなかった。