ウクライナ軍に志願し戦うロシア人たち、「最後までずっと」
侵攻に反発しウクライナ軍に合流したロシア人の動機は様々だが、占領からの解放後に明るみに出たウクライナ住民の虐殺の目撃がきっかけとなった人物もいた。
コールサイン「サイレント」と名乗るロシア人は2月初め、親族を訪れるためウクライナに来た。滞在を続けていた際に、ミサイルが襲来し砲撃音が鳴り響く戦争が始まった。ロシア軍が一時占領した首都キーウ近郊のブチャやイルピンなどでは民間人らへの虐殺行為が始まっていた。
ロシア軍のキーウ近郊からの退却を受け、地元住民を助けるため虐殺が起きた現地に行き、遺体や民間人処刑など残虐行為の傷跡を目にした。この直後、最後までウクライナにとどまり、軍に入隊することを決めた。
ロシアは戦争犯罪や民間人への攻撃を否定したが、ウクライナ内の多くの場所で広範な証拠が収集された。
ロシアにいる親友は最近、部分的な動員令で強制的に徴集された。2人はウクライナの戦場で敵味方にわかれて対峙(たいじ)する恐ろしい事態もあり得ることを話し合ったことがあるという。
親友もロシアを離れて、ウクライナで共にロシア軍と戦うことを望んでいた。出国の手助けも試みていたが、動員令でかなわなくなっていた。