ブラジル首都の空港爆破未遂で男を逮捕 「大統領就任を阻止するため」
サンパウロ(CNN) ブラジルの首都ブラジリアで空港の爆破を図った疑いで、男が逮捕された。警察の調べに対し、混乱を起こして新大統領の就任を阻止するのが目的だったと供述している。
警察責任者が記者会見で語ったところによると、容疑者は北部パラー州出身のガソリンスタンド店長(54)。10月の大統領選で現職のボルソナーロ大統領を破ったルラ元大統領が就任する来年1月1日の前にブラジリアの国際空港を爆破し、国内を戒厳状態に置く計画だったとされる。爆弾を所持し、仕掛けた容疑で24日に逮捕された。
空港近くのタンクローリーに仕掛けられた爆弾を、トラック運転手が発見した。警察はこの爆弾のほか、ブラジリア市内で容疑者が借りていたアパートの部屋から複数の銃と弾丸1000発あまり、爆発措置5台を押収した。
容疑者は国内で「共産主義体制の確立」を阻止し、「軍の介入」を招く狙いがあったと供述した。
警察によれば、容疑者はブラジリア市内の軍基地の前で座り込むボルソナーロ氏の支持者らに合流しようと、10月12日にパラー州から同市に入っていた。
ボルソナーロ氏は政権移行への協力を表明したものの、大統領選での敗北をはっきりとは認めていない。国内各地で同氏の支持者らが軍の介入を求め、根拠のないまま選挙不正を主張してきた。
容疑者はボルソナーロ氏に触発され、3万ドル(約400万円)以上かけて銃や弾丸をそろえたと話している。
次期司法相はこの事件について、座り込みのデモが「テロリストの温床」になり得ることを証明していると指摘した。