前教皇ベネディクト16世、「重篤な容体」と現教皇
ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は28日、前教皇ベネディクト16世(95)が重篤な容体に陥っていると述べた。
教皇はこの日の一般謁見(えっけん)で、前教皇のために「特別な祈りを」と呼び掛けた。
ローマ教皇庁(バチカン)の報道官もその後、前教皇の加齢にともなう容体について「この2~3時間で悪化した」とする一方、医師が病状の管理と観察を続けていると語った。
同報道官はまた、フランシスコ教皇が一般謁見の後、前教皇の住まいであるバチカン市国内のマーテル・エクレジエ修道院を見舞いに訪れたことも明らかにした。
米首都ワシントンのウィルトン・グレゴリー枢機卿も28日、カトリック教徒らに向けて「ベネディクト16世のために祈りを」とツイートした。
前教皇は2013年に「高齢」を理由に、教皇として約600年ぶりの生前退位を発表した。
20年に独メディアが体調不良を報じた後、バチカンは「痛みはあるが重篤な病状ではない」と説明した。
独ミュンヘン教区の大司教だった1977~82年に起きた聖職者による未成年者虐待の調査報告が今年1月に公表され、前教皇は事実を知りながら対処を怠ったと指摘されていた。