「麻薬王」の息子逮捕で29人死亡、米国への移送差し止め メキシコ

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オビディオ・グスマン容疑者=2019年10月/Cepropie/AP

オビディオ・グスマン容疑者=2019年10月/Cepropie/AP

(CNN) メキシコで逮捕された「麻薬王」ホアキン・グスマン受刑者(通称エル・チャポ)の息子、オビディオ・グスマン容疑者について、メキシコ市の連邦裁判所が6日、米国への移送差し止めを命じた。グスマン容疑者が5日に逮捕されたことを受けて現地では激しい衝突が発生し、29人が死亡していた。

米政府はグスマン容疑者が麻薬密売にかかわったとして米国への移送を求めている。同容疑者は世界最大級の麻薬密売組織「シナロア・カルテル」の幹部とされ、米政府が最大500万ドル(約6億6000万円)の賞金をかけて行方を追っていた。

メキシコのマルセロ・エブラルド外相は5日、米国で2019年9月19日付の逮捕状が出されていたことを確認した。ただし法的手続きがあるためすぐには移送できないと説明。メキシコでもグスマン容疑者に対する法的手続きが進められているとした。

現地メディアによると、連邦裁判所はその後、グスマン容疑者が勾留されているアルティプラーノ刑務所で審理を行い、移送を目的とした60日間の勾留を命じた。

グスマン容疑者が5日に北部シナロア州クリアカン市で逮捕された後、同市は混乱状態に陥った。市内では衝突が相次ぎ、当局は市民に避難を呼びかけていた。

ルイス・クレセンシオ・サンドバル国防相は6日、グスマン容疑者の逮捕は特殊部隊の200人がかかわる大規模作戦の成果だったと説明した。

シナロア州ではグスマン容疑者ら22人が逮捕された後、麻薬密売組織のメンバーと治安部隊の間で激しい衝突が発生。密売組織のメンバーと思われる少なくとも19人と、治安部隊の10人が死亡した。民間人の死者や負傷者は報告されていない。

ホアキン・グスマン受刑者がリーダーだったシナロア・カルテルはシナロア州を本拠地としている。

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