中国、60年ぶりに人口減 経済に影響か
香港(CNN) 中国国家統計局(NBS)は17日、中国の人口が2022年にここ60年あまりで初めて減少したと明らかにした。深刻化する中国の人口危機が新たな局面を迎えた格好で、減速する中国経済にとって重大な意味を持つ。
NBSによると、中国の人口は22年、前年を85万人あまり下回る14億1100万に減少した。
アナリストによれば、人口減は毛沢東の「大躍進」政策をきっかけに深刻な飢饉(ききん)が発生した1961年以来となる。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストは「人口はここから減少傾向に転じる可能性が高い。これは非常に重要な現象であり、潜在成長や国内の需要に影響を及ぼす」と指摘した。
1000人当たりの出生数も前年の7.52から過去最低の6.77に落ち込み、49年に共産主義国家・中国が建国されて以降で最低の水準となった。中国政府は結婚した夫婦に子どもを持つよう促しているものの、2022年の出生数は956万人あまりと、21年の1062万人を下回った。
この日は人口統計のほか、中国の年間経済成長率が半世紀近くで最悪の水準に落ち込んだことも発表された。昨年の成長率は政府目標を大幅に割り込む3%にとどまり、労働力減少や退職者の増加に伴い中国が直面する経済的課題の深刻さを浮き彫りにした。
国連は昨年、23年には中国がインドを抜いて世界で最も人口が多い国になるとの予測を示していた。