49件の強姦や性的暴行を認めた警官、英ロンドン警視庁が懲戒免職
(CNN) 英ロンドン警視庁は17日、女性に対する暴行や強姦(ごうかん)を繰り返した罪を認めた警察官のデービッド・キャリック被告を懲戒免職処分とした。この事件をきっかけとして、警察官に対する捜査を求める訴えが噴出している。
キャリック被告は24件の強姦を含め、18年間にわたった49件の性的暴行について罪を認めている。
ロンドン警視庁の広報によると、同被告は17日午前に行われた懲戒審理で免職処分とされた。本人や弁護士は出廷しなかった。
今回の事件は英全土に衝撃を与え、女性権利団体はロンドン警視庁が早期の対応を怠ったとして批判を強めている。
「この組織は危機的状況にある。警視庁がキャリック被告の犯行パターンを知っていながら行動しなかったことは、女性に対する空虚な約束以上にそれを物語る」。女性に対する暴力の根絶を訴える団体はそうツイートした。
リシ・スナク首相は17日の閣議で、キャリック被告のような人物が警察官になってはならなかったと発言。今回の事件は国民の警察に対する信頼を失墜させたと述べ、「真の変化」の必要性を強調した。
ロンドン警視庁のマーク・ローリー警視総監は16日、キャリック被告の被害者に謝罪する声明を発表した。
ロンドン警視庁は相次ぐ不祥事のために市民の信頼が揺らぎ、前任のクレシダ・ディック警視総監は2022年に辞任に追い込まれた。
ローリー警視総監は16日、警察官約800人が絡む性的暴行やドメスティックバイオレンスの訴え1000件あまりについて、現在捜査を進めていることを明らかにした。