英、戦車含め軍事支援の加速検討 独は現段階で戦車提供なし
(CNN) スナク英首相の報道官は11日、ウクライナへの軍事援助に触れ、パートナー国との間で「一層かつより迅速」な支援策のあり方に関する話し合いを進めており、これには戦車の供与も含まれていると述べた。
英国の国会担当記者の同国による戦車引き渡しの可能性を問う質問に、「ウクライナの勝利獲得に資する新世代の軍事技術の種類を交えての支援を加速している」と説明。
「戦車がウクライナに戦況を一変させ得る攻撃力をもたらすことは明白」とし、スナク首相が先週、ウクライナのゼレンスキー大統領に「可能な限りどんな支援も提供する」と話したことに注意を向けた。
「首相は国防相に戦車を含めたさらなるかつより迅速な援助の方途について今後数週間内にパートナー国と協議することを指示した」と述べた。
その上で、送り出せる装備品の内容については常に考察しているものの、英軍の主力戦車「チャレンジャー2」を直ちに差し向けることについて何らかの決定が下されたわけではないとも釘を刺した。
一方、ドイツ国防省のコラッツ報道官は12日までに、同国の主力戦車「レオパルト2」をウクライナへ引き渡す計画は現段階ではないと表明した。歩兵戦闘車「マルダー」を最大40両を送る準備をしていると述べた。
記者会見でウクライナ軍兵士への訓練提供の開始に備えているともした。また、ドイツ政府のヘベシュトライト報道官はウクライナへの軍事支援に関連し、全ての決定事項は北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ戦争の(直接的な)当事者にならないとする立場を踏まえて下されていると述べた。
ドイツのハーベック副首相は最近、地元の公共放送ARDの取材に同国政府はウクライナへのレオパルト2の将来的な譲渡を否定しないとの考えを表明。ただ、最初の措置としてマルダーを送ると述べていた。
ウクライナへの新たな兵器提供では米政府が先に、歩兵戦闘車「ブラッドレー」の供与を盛り込んだ約30億ドル相当の軍事支援を発表。ウクライナ向けの一度の軍事援助としてはロシアの侵攻開始以降、最大規模となっており、ウクライナの気候が温暖になって戦闘が激化しそうな春季の戦況を見据えた措置ともなっていた。