平時の国家予算のほぼ全額、「戦費」に投入 ウクライナ首相
(CNN) ロシアが侵略したウクライナのシュミハリ首相は26日までに、平時の国家予算のほぼ全額を軍関連の分野に投入しているとの現状を明らかにした。
昨年の赤字幅は約310億米ドルに達したと記者団に説明。資金繰りは支援国に頼っており、大半は欧州連合(EU)、G7(主要7カ国)、米国や国際通貨基金(IMF)を含めた国際金融機関からの援助で賄っているとした。
社会分野や人道面での施策に必要な資金も支援国が支えているとし、謝意を表明した。
首相はまた、EUの行政執行機関、欧州委員会が発表した2023年用の約180億ドル(約2兆4500億円)規模の財政援助への感謝も示した。米国も100億ドル以上を拠出するとし、他のG7構成国も直接的な財政支援を提供しているとした。
IMFとの間で進めていた予算監視プログラムの修正作業も完了し、4年間を対象にした大型の対策が組まれたとも説明した。
その上で、迅速な復興を図る事業には新たに170億ドルの資金が必要と推定。同国の国内総生産(GDP)は昨年、約30%落ち込んだと述べた。
同国政府が取り組むべき内政上の最初の課題はエネルギー部門の再建と主張。これなしに一般社会向けや人道面での事業の促進は不可能とも断じた。2番目の課題は人道対策での地雷除去で、対象の面積は17万4000平方キロに達しているとも明かした。
3番目の優先順位は重要なインフラ施設や損壊した住宅の修復、4番目は国内経済の回復の促進とした。全面的な侵略により、ウクライナ国民は300万以上の雇用機会を奪われたとも話した。