インフルエンザ対策の封鎖措置を検討、市の提案に市民反発 中国・西安
香港(CNN) 中国陝西省の西安市が、インフルエンザの流行が拡大すれば封鎖措置を検討する方針を打ち出したことを受け、市民から不安や憤りの声が噴出した。
西安は兵馬俑(へいばよう)で有名な観光地。このほど発表した緊急対策計画で、インフルエンザの大規模流行が起きた場合、学校や商店など人が集まる場所の封鎖に踏み切ると説明した。
これに対してSNSでは、最近になって解除されたばかりの厳格な「ゼロコロナ」政策のようだと指摘して不快感を示すユーザーが相次いだ。
大手SNSの微博(ウェイボー)には、「そんな時にパニック感情をあおるよりも、国民にワクチンを」「国家レベルでこの疾病を分類する明確な指示がないまま西安が仕事や経済活動の中断を提案すれば、パニックに陥らないはずがない」といったコメントが書き込まれている。
中国では新型コロナの症例数が減る一方で、インフルエンザの症例数は全土で急増し、インフルエンザ治療薬の需要に対応し切れなくなっている薬局もある。
西安の緊急対策計画は、今後の流行が起きた場合に約1300万の市民がどう対応すべきかについて4段階の対応を打ち出した。
最も重大な「レベル1」では、「市は感染場所を封鎖し、交通検疫を行い、生産および事業活動を停止させることができる。ショッピングモール、映画館、図書館、博物館、観光地など人が集まる場所も閉鎖される」としている。
しかし住民にとっては、ゼロコロナ政策下で長期間自宅に閉じ込められ、食料が不足してパニック買いが起きた記憶もまだ新しく、そうした状態に戻ると考えただけで震え上がる思いがしたらしい。
香港大学公衆衛生校の専門家は「緊急時対応計画の立案は理にかなっている。インフルエンザで封鎖措置が必要になるとは思えないが、さまざまなレベルの対応が予想される」と指摘している。