台湾、戦闘・偵察用の新型ドローン公開 中国の脅威増す中

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台湾が独自開発した新型ドローンを報道陣に公開した/Sam Yeh/AFP/Getty Images

台湾が独自開発した新型ドローンを報道陣に公開した/Sam Yeh/AFP/Getty Images

台湾・台中(CNN) 台湾政府の所有する兵器開発業者が14日、独自に生産した新型の軍事ドローン(無人機)5機を公開した。軍事的脅威を高める中国に対し、台湾は非対称な戦力の増強を目指している。

CNNをはじめとする記者団が訪れた「国家中山科学研究院(中科院)」では、台湾の兵器開発業者が現地開発した8種類のドローンをお披露目した。このうち五つのモデルは初めて一般公開された。

新型ドローンの大きさは様々で、それぞれ戦闘もしくは偵察のための機能を備えている。中科院の航空研究局を統括するエリック・チー氏が明らかにした。それらの装置は台湾軍の異なる部門で使用するために設計されているという。

「新たな世界戦争の潮流に対応するため、我が軍は非対称戦争の能力を積極的に増強している」(チー氏)

また同氏は中科院が開発に取り組む中核技術について、自給自足での防衛という政策を完全に遂行するためのものと付け加えた。

中国共産党指導部は台湾の領有権を一段と強く主張するようになっており、統治下に組み込むためなら武力行使も辞さない姿勢を明確にしている。

台湾は現状米国の兵器に強く依存しつつ防衛能力の維持を図っているが、一方で独自の兵器開発を加速し、軍事力を増強する姿勢も強調。とりわけより安価で機動性に富む兵器システムは中国による侵攻の阻止に寄与する可能性がある。

昨年10月、台湾は今年の防衛予算を13.9%増額する方針を発表した。また徴兵対象となる全ての男性の兵役期間を2024年以降は4カ月から1年に延長するとしている。

今回報道陣に公開された新型ドローンの一つ「アルバトロスII」はより長い時間偵察任務を行えるようになったほか、人工知能(AI)を駆使して海上の艦船を追跡することもできる。

また連続滞空可能時間は16時間、最長の飛行可能距離は300キロを超えると、中科院は記者団に説明した。

このほかポータブル式で垂直離着陸が可能な「カーディナルIII」は海岸地帯での活動監視用。別の主要な徘徊(はいかい)型の戦闘ドローンは兵士1人が操縦する。このドローンは弾頭1発を装備し、空から人間や車両を攻撃できる。開発に当たっては米国製の「スイッチブレード300」を参考にした。同機体はウクライナ軍が広範に使用し、ロシアによる侵攻の防衛に威力を発揮している。

別タイプの戦闘ドローンには、 GPS(全地球測位システム)や画像追跡技術を活用した機体も含まれる。

各ドローンの性能に関する仕様は、台湾政府が機密事項としているため今後も公表されることはないという。

チー氏は新型ドローンについて、現在台湾軍が試験を行っており、早ければ今年の終わりにも大量生産に入る公算が大きいと述べた。

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