ウガンダ議会、性的少数者に禁錮刑科す法案を可決
(CNN) ウガンダの議会でこのほど、自身が性的少数者であることを認めること自体に最大10年の禁錮刑を科す「反同性愛法案」が可決された。
ウガンダではもともと同性愛行為が禁止されている。新たな法案では同性愛の助長、扇動、同性愛行為の共謀なども刑罰の対象に加わった。
野党の政治家が、同国の「法的、宗教的、伝統的な家族観」を「無節操な性を普及させる恐れのある行為」から守るためとして、法案を提出した。
一方で反対派の議員は、「世界と地域の人権基準に反する」「性的少数者の基本的人権が不当に制限される」と主張していた。
国際人権NGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の研究者は今月、この法案について「人々がありのままでいること自体を犯罪とみなし、現状以上にプライバシーの権利や言論、結社の自由を侵害する」内容だと批判。政治家らに対し、支持を得るために性的少数者を標的にするのはやめるべきだと主張した。
法案成立にはムセベニ大統領の同意が必要となる。ムセベニ氏は先週、同性愛者を「変質者」と呼んであざけった発言が伝えられている。
ウガンダは保守的、宗教的な価値観に基づく同性愛への反感が根強く、2009年には同性間の性行為に死刑を科す法案が提出された。この法案は14年、死刑の条項を終身刑に修正して可決されたが、最終的に無効となった。