部族衝突で55人死亡、数百人負傷 2万3000人が避難 インド
ニューデリー(CNN) インド北東部のマニプール州で部族衝突が発生し、7日までに少なくとも55人が死亡、260人が入院した。州内のインド軍基地などにはこの衝突を逃れて2万3000人が身を寄せている。
同州のクキ族とメイテイ族の衝突は数日前から発生。現地の病院関係者はCNNの取材に対し、患者の大半は銃で撃たれたり、頭部を棒で殴られたりして重傷を負っていると語った。
地元のテレビ局は、車や建物が放火され、道路から黒煙が上がる映像や写真を映し出している。
街頭には軍の部隊が配備され、モバイルインターネットは5日間使用できなくなった。
部族指導者の若者は、4日に自宅が襲撃され、以後、軍のキャンプに身を寄せていると証言。「多くの家が焼かれて教会は破壊されたり焼かれたりした。私はかろうじて脱出できた。襲撃犯は既に家の中にいて、私はフェンスをよじ登って隣家に逃れた」と話している。
この男性がいるキャンプにはおよそ5500人が滞在しているという。「キャンプに向かっていた親子は襲撃されて息子が殴り殺され、息子を守ろうとした母親も殺害された」と男性は語った。
衝突が起きたのは、マニプール州の全民族学生連合が組織した集会に数千人の部族関係者が参加したことがきっかけだった。この集会は、教育や就職で優遇措置が受けられる「指定部族」に多数部族のメイテイ族を含めることに反対して開かれた。
州の人口の約50%を占めるメイテイ族は、何年も前から指定部族としての認定を求めてキャンペーンを展開していた。
これに対して他の部族は、メイテイ族が指定部族に認定された場合、就職などに関して自分たちの公平な機会が失われかねないと危惧していた。