サイクロン直撃で400人超死亡の恐れ ミャンマー西部
西部ラカイン州の州都シットウェに住む男性は、サイクロンの後、子どもや高齢者、妊婦の遺体が地面に横たわっているのを見て涙が出たと明かした。その上で、戦闘を逃れて難民生活を送るロヒンギャには家も食べ物も避難場所もないと強調。同様の災難がロヒンギャに対して繰り返し起きていると訴えた。
この男性は、8人の犠牲者のためにイスラム式の埋葬の祈祷(きとう)を行ったという。
軍事政権を率いる国軍のミンアウンフライン最高司令官はシットウェを視察して被害状況を確認。住民に支援を提供した。国営メディアが15日に報じた。
大半が貧困化、孤立化しているラカイン州は、近年政治的な暴力が広がる地域となっている。
国籍のないロヒンギャは過酷なミャンマー軍事政権の弾圧を逃れ、2017年以降100万人近くが隣国バングラデシュに逃れたが、ラカイン州には数十万人が残る。多くは難民キャンプで暮らし、当局の厳しい監視下に置かれている。
支援機関は、施設として脆弱(ぜいじゃく)なこれらの難民キャンプが今回のモカの直撃で最大の被害を受けたのではないかと危惧している。