バイデン氏告発の元スタッフがロシアに亡命 国営メディアとインタビュー
(CNN) バイデン米大統領からかつて性的暴行を受けたと主張して注目を集めた元事務所スタッフのタラ・リード氏が、ロシアに亡命した。国営メディアとの数時間に及ぶインタビューで、米国では脅迫を受けていたなどと語った。
リード氏は2020年の大統領選前に、民主党候補指名が確実視されていたバイデン氏を告発。上院で同氏の事務所に勤めていた1993年に性的暴行を受けたと主張した。
バイデン氏はこれを強く否定した。事務所の元スタッフから疑惑を裏付ける証言も出なかった。リード氏をめぐってはその後、学歴や資格を偽った疑惑が浮上した。
リード氏は近年、表舞台から姿を消していたが、30日にロシアの首都モスクワに現れ、ロシアの与党議員、マリア・ブティナ氏とともに国営メディアとの会見に臨んだ。ブティナ氏はロシアの元工作員として、米国で19年に禁錮刑を言い渡された人物だ。
リード氏は「モスクワに降り立った時、実に久しぶりに安全だと感じた。私の声を聞いてもらえる、尊重してもらえると感じた。母国ではそう思えなかった」と話した。
同氏は今年、バイデン氏への告発をめぐり、議会で宣誓証言をしてもいいとツイートしたことで殺害予告などの脅しを受けため、ロシアへ渡ることを決意したと語った。
CNNは殺害予告の事実を独自に確認できていない。
同氏はまた、米政界の少数のエリートが、ロシアを敵に仕立てる「幻想」を広めていると批判した。
ブティナ氏は会見で、リード氏に市民権を与える可能性を検討し、プーチン大統領に優先的な扱いを求めることを約束した。