死者275人、目撃者が語る列車事故の惨状 信号故障が原因か インド
一等客車に乗っていたという乗客は、衝突の惨状について、車両が互いに折り重なり、乗客は車両の残骸に押しつぶされ、至る所に血が流れていたと振り返った。
インド国民は憤りを募らせ、1日に1300万人以上が利用する鉄道の安全問題に向き合うよう、当局に求める声が改めて強まった。
インド鉄道相は4日、今回の事故について「電子連動装置の変更」が原因で発生したと語り、捜査を通じて「この過ちの責任の所在」を追及すると語った。
鉄道相は現地の通信社に「原因が特定され、誰に責任があるのかも特定された」と話しているが、政府が報告書を公表するまで詳細は控えるとした。
鉄道関係者によると、コルカタからチェンナイに向かっていた特急列車がループ線に誘導され、バハナガ・バザール駅に停車していた大型貨物列車に衝突。車両が脱線して反対側の線路にはみ出したところへ、進入してきた別の特急列車が衝突した。
鉄道省高官は4日、列車が128キロで走行していたことや、特急が衝突した貨物列車が鉄鉱石を積んでいたことが、大勢の死傷者が出る事態につながったと指摘。もう一つの特急も126キロの速度で、脱線した列車に衝突したと説明した。
インドの鉄道網は160年以上前、英国の植民地時代に建設された。老朽化したインフラのために運行の遅れや事故は後を絶たず、過去にも大勢の犠牲者を出す事故が発生。140人以上が死亡した2016年の脱線事故を受けてモディ首相は、多額を投じて安全性と接続性の向上を目指すと発表していた。