カナダ首相がキーウ電撃訪問 首脳会談で支援継続を表明
(CNN) カナダのトルドー首相は10日、ウクライナの首都キーウを予告なしに訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。
両氏が会談後に発表した共同声明には、カナダが個別に、または主要7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)などの枠組みを通して政治、経済、人道、軍事面の支援を継続すると明記された。
声明によれば、カナダはこれまでに総額80億カナダドル(約8300億円)規模の支援を提供してきた。
トルドー氏は会談後の共同記者会見で、追加支援として防空用の中距離空対空ミサイル「AIM7」287発と、105ミリの砲弾1万発を供与すると表明。新たに5億カナダドルを軍事支援に割り当てる方針を示した。
ウクライナ南部のダム決壊については、「平和的な隣国に侵攻するというロシアの決断が直接もたらした結果」だと断じ、洪水の被害を受けた住民らに向けて1000万カナダドルの支援を表明した。
両氏はさらに、カナダがウクライナのNATO加盟を、条件が整い次第、支持するとの共同宣言を出した。
トルドー氏はまた、ロシアのウクライナ侵攻に関与する24人と17団体を対象に追加制裁を発表。
さらに、昨年2月からカナダに留め置かれていたロシアの輸送機を押収する法案が同日国会を通過し、ウクライナへ引き渡す手続きが始まったことを明らかにした。
ロシア国営タス通信によると、同機はカナダ政府のチャーター便として、中国から新型コロナウイルスの検査キットを運び、昨年2月27日にトロントに到着。カナダ当局はその2時間後、ウクライナ情勢を受けてロシア機の領空通過を禁止した。
ロシアの駐カナダ大使は10日、同通信とのインタビューで、カナダ側の決定を「違法」な「泥棒」行為だと非難した。