ダム決壊の犠牲者が16人に、不明31人 ウクライナ
(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州のカホウカ・ダムの決壊や洪水の被害で同国内務省は17日、犠牲者は少なくとも16人、行方不明者は31人になったと報告した。
氾濫(はんらん)に襲われた地域の住民3614人が避難したとし、このうち子どもは474人で体が不自由な住民が80人とした。ヘルソン、南部ミコライウ両州では民家の1300戸が依然、水没した地域に残っていると説明した。
一方、ロシア側がヘルソン州の行政責任者に任命したアンドレイ・アレクセエンコ氏は17日、洪水被害などによる死者は29人に増えたとSNS上に書き込んだ。オレシキで12人、ホラ・プリスタンで13人などとした。
同ダムの周辺地域はロシアのウクライナ侵攻後、争奪をめぐる最も激しい交戦が起きた場所の一つ。ドニプロ川西岸にあるヘルソン市はロシア軍が8カ月にわたって占領していたが、ウクライナ軍が昨年11月に奪還に成功していた。
ダム南方に位置するドニプロ川東岸は依然、ロシア軍の支配下にある。ロシアはヘルソン州の一方的な併合も宣言している。
ダム決壊の発生は今月6日で、破壊工作あるいは構造的な欠陥が原因なのかは不明。複数の村落が洪水に見舞われ、農地が冠水して、住民数万人規模が停電や飲料水の供給中断の被害を受けた。
ウクライナは同国軍の反転攻勢の開始を前に「動揺した」ロシア軍が爆破したと主張。ロシアはクリミア半島への給水源を封じるためウクライナ軍が大規模な砲撃で破壊したなどと反論している。