韓国で「満年齢」統一の法律施行、「数え年」より1~2歳若く
韓国・ソウル(CNN) 韓国で年齢の数え方を国際基準の「満年齢」に統一する法律が28日から施行され、5100万人あまりの国民が法律上、1~2歳若くなった。
韓国ではこれまで「数え年」「年年齢」が一般的に併用され、混乱を引き起こしていた。
李完揆法制処長は26日の記者会見で、年齢の標準化によってさまざまな社会的混乱や論争が解消されると強調した。
同法案は昨年12月に国会を通過。「年齢基準の混在による不必要な社会的コストの大幅な削減」も見込まれると法制処長は述べ、これは昨年5月に就任した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の一大公約だったと言い添えた。
韓国の満年齢は出生時からの年数を数える国際標準の方式で、0歳からスタートする。
しかし非公式の場で年齢を尋ねられると、ほとんどの韓国人は数え年で答える。その場合の年齢は、満年齢よりも1歳か2歳、上になる。中国をルーツとする数え年は、誕生時で1歳と数え、毎年1月1日に1つ歳をとる。
場合によっては数え年と満年齢を組み合わせた年年齢が使われることもある。この方式では生まれた時の年齢は0歳で、毎年1月1日に1つ歳をとる。
例えば1977年12月31日に生まれた「江南スタイル」の歌手PSYさんの場合、満年齢は45歳、年年齢では46歳、数え年では47歳になる。
政府は28日、新基準を採用後も、状況によっては従来の制度をそのまま引き継ぐと説明した。
例えば子どもは誕生月に関係なく、今後も満年齢で6歳になった次の年の3月に小学校に入学する。
飲酒や喫煙なども、誕生月を問わず、誕生した年に基づいて認められる。つまり、1990年1月生まれも12月生まれも同年齢と判断される。
この法律に基づき、アルコール飲料は満年齢で19歳になる年から購入できるようになる。
兵役義務についても引き続き、年齢や誕生日ではなく、生まれた年に基づいて入隊年齢が決まる。
国民の多くは今後も日常生活や社交の場では、慣れ親しんだ数え年を使い続ける見通しだ。
一方で歓迎する声もある。法制処が行った世論調査では、86.2%が満年齢を使用すると答えた。年齢の数え方が混在する状況に閉口し、満年齢の標準化を長年訴えてきた議員たちの勝利だった。