トランスジェンダーの経産省職員に対するトイレ使用制限、最高裁が違法と判断

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トランスジェンダー女性のトイレ使用を巡る最高裁の判断を受け、記者会見する弁護士ら/Eugene Hoshiko/AP

トランスジェンダー女性のトイレ使用を巡る最高裁の判断を受け、記者会見する弁護士ら/Eugene Hoshiko/AP

東京(CNN) 最高裁は11日、女性として生活するトランスジェンダーの職員に対して女性用トイレの使用を制限する政府機関の対応は違法との判断を下した。性的少数者の職場での権利について最高裁が判断を示すのは初めてで、転機となる判決となった。NHKが報じた。

NHKによると、原告は経済産業省に勤める50代のトランスジェンダーの職員。生まれたときの性別は男性だが、2008年ごろから女性として生きてきた。

09年、上司に職場でも女性として認識してもらいたいと告げ、女性用トイレの使用を認めるよう要望した。要望は受け入れられたが、使用が認められたのは2階以上離れた女性用トイレのみだった。人事院に処遇の改善を求めたものの退けられたという。

15年、原告は政府を相手取って東京地裁に訴訟を起こし、特定のトイレの使用制限は差別的だと主張した。NHKが報じた。

3年後、東京地裁は経産省の決定を違法と判断。政府に慰謝料など132万円の支払いを命じた。

21年に東京高裁がこの判断を覆すと、原告は最高裁に上告した。

経産省は11日にCNNへ送付した電子メールの中で、最高裁の判断については認識していると説明。判断を慎重に検討した後、関連する省庁との協議を進めると述べた。

その上で、引き続きあらゆる取り組みを通じ職員の多様性の尊重に努めると付け加えた。

日本では長年にわたり、性的少数者の問題を巡っては保守的な見解が大半を占めている。近年の世論調査はこうした考え方に変化が生じていることを示唆するものの、活動家らは依然として差別は根強いと指摘する。たとえば、日本は主要7カ国(G7)で唯一、同性婚に対する法的保護を認めていない。

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