ドイツ、中国依存低減に向けた戦略公開 「中国は変わった」
ロンドン/ベルリン(CNN) ドイツは13日、医薬品や電気自動車(EV)に使用されるリチウム電池、半導体製造に不可欠な要素などの「重要分野」で中国依存を低減する方針を明らかにした。
ドイツ政府は今回、政府初となる「中国戦略」を公開。文書は40ページで、中国の人権状況や国際法への姿勢を巡る批判が高まる中、中国依存の管理に微妙なかじ取りが必要となる状況を浮き彫りにしている。
ドイツ政府によると、中国はドイツの最も重要な貿易相手で、両国の2022年の輸出入額は3000億ユーロ(約46兆3000億円)に上る。
ショルツ政権は今回、数カ月の遅れや3党連立政権内での議論を経て文書について合意した。文書は「中国は変わった。この点と中国の政治的判断を踏まえ、我々は中国へのアプローチを変える必要がある」としている。
文書ではまた、中国を気候変動やパンデミック(感染症の世界的大流行)、持続可能な開発に対応する上での重要パートナーと位置付ける一方、「(中国は)以前よりもはるかに強硬に自国の国益を追求しており、さまざまな形でルールに基づく既存の国際秩序の再編を図っている」との認識を示した。
さらに、中国との貿易や投資の関係は維持する一方で、サプライチェーン(供給網)多角化により重要分野での依存を低減したい方針を強調。この目標を「デリスキング」(リスク軽減)と形容した。
ショルツ首相はツイッターで「我々の目的は(中国からの)デカップリング(切り離し)ではない。ただ、将来的には重要な依存関係を低減していきたい」と述べている。