ゼレンスキー氏、プーチン氏との妥協を否定 プリゴジン氏の死を引き合いに
キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、CNNのインタビューで、ロシアの軍事指導部への反乱を主導したエフゲニー・プリゴジン氏が搭乗機墜落で死亡した件に触れ、プーチン大統領と取引した時に何が起きるかを示していると指摘した。
ウクライナの反転攻勢は4カ月目に入り、これまでのところ戦果は控えめなものにとどまっている。こうした中でCNNのインタビューに応じたゼレンスキー氏は、ロシアと和平交渉する時期が来たとの見方を否定した。
「誰かと妥協や対話をしようとする時、相手がうそつきでは無理だ」(ゼレンスキー氏)
プリゴジン氏はプーチン氏の権威を脅かす反乱を試みた後、劇的な死を遂げた。ゼレンスキー氏はこれを警鐘として受け止めるべきだと示唆した。
米国や他の主要支援国はウクライナへの兵器供与を続けており、「公正で持続的な」和平を模索する状況はまだ整っていないと強調している。ただ、ブラジルのルラ大統領など一部の指導者からは、戦争を終結させる責任はウクライナにあるとの見方も出ている。
ゼレンスキー氏は自らの立場の証拠として、ロシア軍に攻撃され、今なお部分占領されている国々に言及。「プーチン氏が他の問題で妥協するのを目にしたことがあるか。ジョージアやモルドバに関して妥協しただろうか」と問いかけた。
前線からの情報によると、ウクライナはロシア軍との激しい戦闘のなか、南部で徐々に戦果を挙げている様子だ。
撮影地が確認された8日の動画には、砲弾で空いた穴や放棄された塹壕(ざんごう)、破壊された兵器が散乱する荒廃した土地が映っている。一帯はロボティネ村、ベルボベ村、ノボプロコピウカ村の間にある地域で、ウクライナがロシアの守備の要衝トクマクに接近するためにはこの3村が重要になる。