リビアで「破滅的」洪水、死者2000人超の恐れ 当局
(CNN) リビア東部の当局は11日、先週ギリシャに被害をもたらした嵐「ダニエル」がリビア東部を襲い、洪水で2000人以上の死者が出た恐れがあると発表した。
リビア東部に拠点を置く議会が選出したハマド首相が国営リビア通信を通じて発表した。
ハマド氏は激流が住宅街と住民数千人を海へと押し流し、状況は「破滅的で、リビアで前例がない」と述べた。死者や不明者の数の根拠は示しておらず、CNNも独自に検証できていない。
SNSには水に沈んだ車や倒壊した建物、通りを勢いよく流れる水の映像が投稿された。
ハマド氏は被害が大きい東部デルナで緊急支援が必要で、医療関係者に現地に向かうように呼びかけている。デルナでは電話が通じず、赤新月社が提供した写真には通りが冠水している様子が写っている。
大雨で崩れた道路=11日、リビア・シャッハート/Omar Jarhman/Reuters
ロイター通信によると、ベンガジの赤新月社は11日、デルナでは推定で150~200人が死亡したとの見方を示した。
東部ベイダの医療機関は、嵐による洪水が原因で、市内の病院から退避が行われている様子を動画で共有した。
ダニエルは先週ギリシャを襲い、大きな洪水被害をもたらした。その後は地中海を移動し勢力を強め、ハリケーンや台風のような「メディケーン」に成長した。
今後はリビア北部からエジプト北部へと東にゆっくり進み、今後2日間の同地域の降水量は50ミリに達すると予想される。通常の9月の月間降水量は10ミリに満たない。
国連リビア支援団はSNSのX(旧ツイッター)に、東部地域での悪天候による非常事態を注視していると投稿した。