ウクライナ・エネルギー大手、発電所を守るために防空が必要 冬の到来控え
(CNN) ウクライナの民間エネルギー会社大手DTEKのマキシム・ティムチェンコ最高経営責任者(CEO)は18日、厳しい寒さのなかで電力需要が急増し、ロシアがウクライナのエネルギーインフレに対する攻撃を行うことを予期して、冬に備えていると明らかにした。
ティムチェンコ氏によれば、ウクライナの情報機関は、ロシアが再び、冬にエネルギーインフラを攻撃する準備を進めていると指摘している。
ティムチェンコ氏は、国連総会に参加するための訪米前にCNNの取材に答え、ロシアがエネルギーインフラの攻撃のためにミサイルの備蓄を行っていると述べた。
ティムチェンコ氏は、こうした予期される攻撃に備えるために、ウクライナには全ての発電所を守るための防空が必要だとし、防空システムがなければ、インフラの復旧や保護は全て意味がなくなると指摘した。
ティムチェンコ氏は、全ての発電所に米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」を備えることが理想ではあるものの、それは起こりえないと認めた。その上で、ウクライナ軍が発電所を含む、より広い範囲を守る防空システムを持てるようになることを望むとした。
ロシアは戦略的にウクライナの電力インフラを攻撃している。そのため、一時的ではあるが何度も、数百万人の人々が電気や熱、水を遮断された。ロシア軍のこうした軍事作戦により、ウクライナのエネルギー網は崩壊寸前に追い込まれ、世界中で交換部品を探すことを伴う継続的な修復作業を強いられた。
DTEKのインフラも攻撃を受けている。火力発電のタービンは5基がロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、損傷した。ティムチェンコ氏によれば、2基を修復したほか、もう2基が来年中に修復される見通し。しかし、1基は修復できないほど破壊されたという。