ウクライナ軍、南部ザポリージャ州でさらに前進 一部で防衛線突破と主張
(CNN) ウクライナの当局者は21日、ウクライナ軍の一部の部隊がロシア軍の防御を突破して深く入り込むなど南部ザポリージャ州で進展があったと明らかにした。
国家警備隊の高官はメリトポリの戦況について「ロシア軍の強い抵抗にもかかわらず、攻撃部隊がロシア軍を追い出し、陣地を固めている」と報告。多くの地雷が埋められている中、一部でロシア軍の防御を突破して前進しているという。
一方、ロシア国営RIAノーボスチ通信が報じたところによると、ロシアが任命したザポリージャ州当局幹部のウラジーミル・ロゴフ氏は、ロボティネ村とベルボベ村の間に位置するオリヒフ方面で、ロシア軍のドローン(無人機)が突破を試みたウクライナ軍の襲撃グループを攻撃したと明らかにした。この攻撃でウクライナ軍は多大な損失を被り、撤退を余儀なくされたと主張した。
ただし、同州の親ロシア派のエフゲニー・バリツキー知事は、ウクライナ軍がロボティネ地域で部隊の再配置を完了しつつあるとSNSで述べ、ロボティネとベルボベの一帯では状況は悪化するとの見通しを示した。
CNNはいずれの主張も検証することはできない。だが、入手可能な映像のオープンソースの分析では、一部のウクライナ軍部隊がベルボベ村の近くでロシア軍の重要な防衛線を通過したことが示されている。
複数のアナリストによると、ウクライナ軍第82空中強襲旅団の車両が塹壕(ざんごう)を越えたという。
ウクライナ軍は同州で何重にも築かれたロシア軍の防御を突破するのに苦戦している。南部での反攻でウクライナ軍が第一の目標に掲げている、ロシア軍の兵站(へいたん)拠点があるトクマクまではまだ20キロほどある。