ノーベル平和賞、イランのナルゲス・モハンマディさんに授与
(CNN) ノルウェーのノーベル委員会は6日、2023年のノーベル平和賞をイランのナルゲス・モハンマディさんに授与すると発表した。イランにおける女性の抑圧に抵抗し、あらゆる人の人権と自由を推進するために闘っている点を評価した。
モハンマディさんの名前は、イランにおける人権を求める闘いの代名詞になっている。モハンマディさんはこの闘いでほぼ全てを失った。
ノーベル委員会のレイスアンデルセン委員長は発表式典で、「彼女の勇敢な闘いは多大な個人的犠牲を伴っている。合計で政権は彼女を13回逮捕し、5回の有罪判決を下し、計31年間の禁錮刑と154回のむち打ちを言い渡した」と指摘した。
「私が話しているこの瞬間も、モハンマディさんは刑務所の中にいる」とも述べた。
医療上の理由による一時出所時のモハンマディさん=2021年、テヘラン/Reihane Taravati
6日の発表に先立ち刑務所内からCNNに寄せられた音声録音では、モハンマディさんが「女性、生命、自由」とのかけ声をリードする声が聞こえる。このスローガンは、イランの道徳警察に拘束されたマフサ・アミニさん(22)の死をきっかけに昨年発生した抗議行動のスローガンとなった。
アミニさんはスカーフのかぶり方が不適切との理由で逮捕された。
音声録音には途中で「これはエビン刑務所内からの電話です」との短い自動メッセージが入り、女性たちが19世紀イタリアの民謡「さらば恋人よ」をペルシャ語で歌う声も聞こえる。この歌はイタリアの反ファシスト党運動を象徴する歌となり、イランの自由化運動にも取り入れられた。
モハンマディさんは仲介者を通じた質問に書面で回答し、「この時代はエビン刑務所の歴史上最も偉大な抵抗の時代だったし、それは今も変わらない」と述べた。