ハリケーンで27人死亡 メキシコ南部
(CNN) メキシコ政府は26日、猛烈なハリケーン「オーティス」が直撃した南部ゲレロ州アカプルコで27人が死亡したと発表した。壊滅的な被害が発生しているという。
同国のロドリゲス治安相は同日、4人が行方不明になっていると記者会見で明らかにした。
通信システムがダウンするなどして被害状況は明らかになっていなかったが、当局者らは25日遅くに被災地入りした。現地をとらえた画像や映像には、大きく損壊した建物や冠水した道路がうつっている。濁った水に浸かりながら移動する人の姿も見られた。
電力会社によると、同州では50万戸以上が停電に見舞われていたが、うち40%は復旧した。ロペスオブラドール大統領は、水道の復旧に向けて1000人を超える作業員が送電網の修復に取り組んでいると明らかにした。
また、当局によると、兵士約1万人がアカプルコ地域に配備され、国家警備隊員らが車両や倒木、がれきの撤去作業を行っているという。
アカプルコ国際空港の周辺でも大量のがれきが散乱しており、同空港は閉鎖されている。
アカプルコは人気の観光地で、サルガド州知事は立地するホテルの約80%が影響を受けたと説明。トラック30〜40台で観光客を他の場所へ避難させているという。
オーティスはわずか12時間で、熱帯低気圧から最も強い「カテゴリー5」のハリケーンに発達した。そのため、住民や当局が直撃に備える時間はほとんどなく、オーティスは史上最も強い勢力で、太平洋に面したメキシコ南部の一帯を襲った。