ガザ最大の病院は「ハマスの指揮拠点」、イスラエルが主張 パレスチナ側は否定
(CNN) イスラエル軍は28日までに、パレスチナ自治区ガザ地区で最大の病院「シファ病院」について、イスラム組織ハマスの主要な指揮統制拠点になっていると非難した。ガザ地区への大規模地上侵攻を前に、世論形成を図る狙いがあるとみられる。
イスラエル軍のハガリ報道官は、ハマスが病院の地下にある掩蔽壕(えんぺいごう)からロケット攻撃を指示したり、作戦の指揮を執ったりしていると説明。この病院とガザ市の地下に掘られたハマスのトンネル網はつながっているとの見方を示した。
ハガリ氏の主張によると、ガザ地区の他の病院もハマスによって同様に利用されているという。記者会見は空撮写真やグラフィック、音声記録などを使って行われた。
ハガリ氏は「医療施設がテロ目的で利用される場合、国際法に従い、医療施設は攻撃からの保護を失う」とも指摘した。こうした病院がイスラエルの攻撃目標に正式に加わったことを示唆する発言とみられる。
また、イスラエル軍は「引き続き、民間人への危害を最小限に抑えるために手を尽くす」とも述べた。
ハガリ氏が記者会見で提示した証拠はただ一つ、ガザ住民2人が交わしたとされる電話の内容のみだった。2人はこの病院にハマスの本部があると話している。
イスラエルは他にも証拠を握っており、現時点では公表できないが、情報当局と共有したという。情報当局はイスラエルの主張を受け入れたとしている。