イスラエル、ハマスが民間インフラを攻撃に利用した証拠提示 パレスチナ側は否定
(CNN) イスラエル国防軍(IDF)は、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが病院や子どもの遊び場といった民間のインフラを盾にしてイスラエルを攻撃しているとする証拠を公開した。イスラエルのこうした主張について、パレスチナ側は否定している。
イスラエル軍のハガリ報道官は5日、記者会見で、ガザ北部のインドネシア病院などがロケット弾攻撃へのイスラエルの反撃に対する盾としてハマスに利用されていると述べた。
ハガリ氏は、インドネシア病院の空中写真を提示し、近くにロケット発射装置があると指摘した。ハガリ氏によれば、病院からわずか75メートルから80メートルの場所にロケット発射装置があり、そこからハマスが攻撃を行っているという。
イスラエル軍は、ガザ地区の古い子どもの遊び場で、ロケット発射装置などを確認したと発表していた。
イスラエル軍は、子ども用のプールからわずか5メートルの位置にある4基のロケット発射用の筒を撮影したとする夜間の動画も公開した。
この映像を検証したCNNの専門家によれば、イスラエル軍が主張しているもののように見えるという。
パレスチナ自治政府の保健相は、イスラエル軍の主張を否定し、イスラエルは病院を標的とする口実を作るのが目的だと指摘した。
ハマスの報道部門幹部は5日夜、シファ病院の外で記者会見し、イスラエルの主張を否定した。
イスラエルに対しては、200万人以上のパレスチナ人が暮らす人口密度の高いガザへの攻撃をめぐり、激しい批判の声が出ている。
ハマスによるイスラエル攻撃以降、イスラエルはガザで1万1000回を超える空爆を実施しており、病院や国連が管理する避難所、難民キャンプなどの民間のインフラに損害が出たほか、民間人が死傷している。