国連事務総長、イスラエルの作戦に「何らかの誤り」 民間人の死者数を指摘
(CNN) 国連のグテーレス事務総長は8日、イスラエルとイスラム組織ハマスの1カ月に及ぶ交戦で死亡した市民の数からして、イスラエルの軍事作戦になんらかの「誤りがあったことは明らか」との見方を示した。
グテーレス氏はロイター通信とのインタビューで、約1400人を殺害した先月7日のハマスの攻撃について「この恐ろしい行為は断固受け入れられない」とした上で「だが我々はハマスとパレスチナ人を区別する必要がある」と述べた。
グテーレス氏は「『人間の盾』戦術を取るハマスは違反している」と指摘しつつ、「だがイスラエルの軍事作戦の犠牲になった民間人の数を見れば、明らかに何かが間違っている」と述べた。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区への人道支援物資の搬入を認めているが、同国の作戦は戦争法を完全に順守して行われなければならないとも指摘した。
グテーレス氏は「イスラエルに対して生まれた世界の同情は、悲惨な人道状況に置かれている人々の写真を毎日目にすることにより、ある程度疑問視されるようになっている」と発言。また、ハマスが取っている人質全員の即時解放を要求した。
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ラマラのパレスチナ保健省が8日発表したところによると、イスラエルとハマスの交戦開始以来、ガザで死亡した1万515人のおおよそ4分の3が子どもや女性、高齢者だという。同省はハマスが実効支配するガザ地区内の医療従事者らから情報を得ている。死者数に何人の戦闘員が含まれているのかは不明。